作品 T04 : ストレートラジオ

<製作履歴>

2022.05.06
当該投稿における代表画像 家の構造上室内アンテナが実用にならないのと入力をLow Zにしているのでベランダ用ループアンテナを作りました。定尺角材を使い約0.6m角、PEW0.7 14Tで210uH、DCR1.5Ωとなりました。当てずっぽうで巻いたので少し不足です。自己共振を上げるため線間は15mm、総線長は20m弱です。VCで同調を取り1〜2ターンの2次コイルでラジオアンテナに導く予定です。自己共振はディップメータで3MHzちょうどと出ました。
2022.05.01
当該投稿における代表画像 電気系だけですが何とかまとまったので回路図をupします。単機能真空管4本のストレート方式AMラジオ、受信範囲520〜1620KHz。電源は別構成で消費電力DC+180V 40mAと6V 1.4A DCです。図面でAF負荷抵抗が100Kとあるのは8Ωの間違いです。使い慣れた古いCADで無理やり書いたのでVCが固定Cになっている、VRが2つの抵抗になっている、また6AV6の第2プレートはダイオードで代用などおかしな点がありますがご容赦下さい。他にもL12〜14はトロイダルコアに巻いた検波コイルを表します。
投稿後すでに誤りを発見、後日修正版をUPします。誤りは検波トランスのAF出力で、正しくはトロイダルトランス2次側中点になります。
2022.05.01
当該投稿における代表画像 AFセクション最適化の報告です。ラジオなのでHiFiではないものの鋸歯状波応答を見て愕然(写真参照)。
FFT解析結果2次歪が約3%と誠にお粗末!6AQ5を3結にしさらにOPT2次側から6AV6カソードにNFBを掛けてFFTを眺めながら最適化した結果、NFB9.7dB、仕上がりゲイン13.3dBに落ち着きました。この時の2次歪-50dB、3次-55dB、4次-65dB、率にして約0.3%に収まり合格としました。帯域は41KHz-3dB、DF8.8、方形波応答にも問題なしでした。
DSOのFFT機能はどうせオマケだろうと高を括って使っていませんでした。Agilent 200M 4chの普及品ですが案外使えそうで得した気分です。
2022.04.29
当該レポートに写真はありません 測定器を外して初めてANT端子に短いワイヤをつないだのですが放送どころかノイズすら聞こえない!とんでもない勘違いしたかのと焦りましたが、ワイヤ片手にHF ANTの同軸ケーブルに触れた瞬間大音量で受信できました。チューニングと共に無音の中から放送が浮かび上がるのはAGC付きリグに慣れた耳には新鮮です。ストレートもAGCがあった方が使い勝手が良くなりそうです。予め準備してあったので後ほどトライします。NHK第1と第2、民放1局が各々576、1521、1404KHzの3局で全部受信できました。RFアンプとコイルのQに総ての性能を頼っているので周波数により大きな感度差が出ます。また家の構造上室内アンテナでは実用にならないのでGW中にベランダに専用アンテナを作る事にします。AMとは思えない自然な音で気に入ってます。単なる製作者の独り言ですHi。
2022.04.26
当該投稿における代表画像 電気系の最終調整に入りました。構成は6EJ7のRFアンプ、6BA6バッファ、6AV6検波で6AQ5のAFです。発振で手間取りましたが何とか解決。RFアンプは6EJ7単段で54.7dB、AFが24.6?と些か過剰気味。いずれNFBに回します。ANT入力からAF出力までの総合F特は70〜7.5KHz -3dBと満足できる結果になりました。途中5KHz変調のプレートコイルの波形が鈍っていることに気が付きましたが、同調回路の帯域制限によるものと判明。500Hzでは綺麗な立ち上りを見せます。(写真参照)同調回路のQは56と高くありませんがF特を考慮すると妥当だと思います。スカートの甘さはストレートゆえ仕方ありませんが、頂部の平坦性は後日複同調などに挑戦したいと思います。 写真は5KHz変調と500Hzと1MHzにおける同調回路特性です。シャーシ内部写真はプレートコイルにぶら下げたFB発振止め。
2022.04.24
当該投稿における代表画像 ようやく配線完了したので写真をUPします。VC後部にアンテナコイルを置き、RFアンプとプレートコイルはシャーシ内部に収めました。構成は6EJ7-6BA6-6Av6-6AQ5、6EJ7は高性能で好きな球ですが油断するとひどく手こずります。もちろん今回もやられました! 調整はこれからです。
2022.04.21
当該投稿における代表画像 PCが復活したので調子見ついでに写真をUPします。
つい狭い空間に詰め込む癖があるので今回大き目のシャーシにしたらがら空き!明日にはコイルとサブシャーシに組んだRFアンプを組付けます。一応ブロック毎に調整済みなので大きなトラブルはないと信じているのですが、さて?
2022.04.08
当該投稿における代表画像 何10年ぶりかでLEADのシャーシを入手しました。ようやく構想が固まりつつあります。ストレートの名の通り何も足さない何も引かないをモットーに検波段から検討開始しました。その結果2極管による直線検波で1Vp-p以上の入力があれば良好な直線性が確保できることが分かりました。これより全体ゲイン配分が決まりAFは出力1Vrms@8Ωとしてトランスのステップダウン込みで10?もあれば事足りる事が分かりました。非常にラフですが我が家における電界強度は≒200μV/mと計算されました。SPを鳴らすには検波以前で50~60dBのゲインが必要となり、RF1段で行けるか微妙でRF2段になるかも知れません。この先はアンテナも含めブロック毎に実験しながら決めていきます。
2022.02.12
当該投稿における代表画像 1Tube2022:T04 ストレートラジオ
プレート検波動作点検討
写真はEp-Ipカーブのグリッドバイアスを矢印で示す-3、-2.5、-2、-1.5Vとした時の検波波形です。
上側はSSG 1MHzを鋸歯状波で振幅変調したもの、下の緑が検波波形(極性反転)です。
写真はバイアス-2.5V、-2V、-1.5Vと続きます。
バイアスが浅くなるにつれ検波ゲインが上がりますが、さらにバイアスを浅くするとリニア領域に入り検波動作から外れます。
検波では通常動作点をカットオフ点に選ぶとありますが、それより浅くする事でゲイン向上が見込めることが分かりました。反対にカットオフ以下にバイアスを深くしたものが最後の写真です。
写真の順番は左上⇒左下 次が右上⇒中央⇒右下です。
一見して分かるように鋸歯状波が弓なりに反り大量の歪を伴っていることが分かります。他の写真でも鋸歯状波のピークに向かって漏れたキャリア振幅も増加していて非線形性が見て取れます。
やはりプレート検波はゲインは取れるものの歪が多いというのは本当のようです。ちなみに-3Vだとゲイン約1倍ですが、-2Vで16dBほど取れます。ゲインと歪のトレードオフという事でしょうか?
2022.02.06
当該投稿における代表画像 1Tube2022:T04 ストレートラジオ 直線検波が一段落したのでプレート検波の検討に移ります。以前触ったJRC NRD1-EHのAMの音がとても良かった印象が強く残っています。それが今回応募した動機でもあります。最初が同機12AX7 1/2のプロダクト検波回路、BFOはカソードに注入されAMはBFOを止めプレート検波としています。
メモから動作点はEk+2.5V Ep160V(実測値)だったので手持ち球のEk-Ip特性を取りました。結局プレート検波も2極管検波も原理は同じで、動作点をカットオフに選び半波整流していることが分かります。ダイオードは信号をそのまま整流するのに対しプレート検波はグリッドを振ることでゲインが稼げます。(極性は反転)グリッドを振ることで入力インピーダンスが高く送り出し側の負担が減るのに対しダイオードは検波回路がそのまま前段の負荷となるのでドライブに配慮が必要な事が理解できました。
2022.01.31
当該投稿における代表画像
当該投稿における代表画像
当該投稿における代表画像
1Tube2022:T04 6AL5 Ehの変化と初速電子の影響。FGとオシロで俄か仕立てのカーブトレーサを作りデータ取りしました。カーソル交点が原点で写真上からEhを6V,5,4としたもので、6Vでは初速電子の影響が顕著ですが5v4vと下げるに従い改善されます。下げると改善されますが4Vになるとダイオードのように原点付近に不感帯を生じるので5V付近が良いようです。Ehを下げることで初速電子の影響が改善できる事が分かりましたが原点付近の曲がりまでは改善できないようです。やはり直線検波にはある程度の振幅が必要な事を再認識した次第です。
カーブが点々になるのはオシロのサンプリングのせいで、上の余分な点々は鋸歯状の戻りです。
2022.01.30
当該投稿における代表画像 1Tube2022:T04 6AL5初速電流
寺西さんが紹介された電波研の文献によればEhを下げることで初速電流の影響を低減できるとあったので実験してみました。
以下Eh :初速電流 
6V:13.5uA
5V:2.2uA
4V:0.12uA
Eh<3.5で電子放出停止。この時暗くしてルーペで漸くヒーターが点いているのが確認できる程度。4Vを超えると明るくても点灯が確認できます。
Ehを変えたときの入出力特性はまた後日データ取りしてUPします。
2022.01.26
当該投稿における代表画像 ダイオードの特性取りが一段落したので実動作特性を取りました。 SG hp8657Bを別のFGで外部AM変調させます。キャリアは1MHz、サイン波と鋸歯状波で変調度は20%です。オシロ写真上からAM信号(回路図A点)、中央がダイオードカソードB点、下がキャリア抑圧のLPF出力C点波形です。鋸歯状波波形から推測できますが周波数特性はBC放送上限の7.5KHzがフラットに通過します。最後の写真は入力信号と検波信号のGNDと感度を揃えたものでDC成分の上に検波された信号が乗っているのが分かります。両者のレベル差はVfによるものと想像していますが詳細は未検討です。DCの極性を反転しAGCに使う事は今後の課題とします。直線検波を理解するためとりあえずダイオードで検討しましたが実機は真空管の予定です。

2022.01.25
当該投稿における代表画像 1N60静特性から良好な直線性が期待できそうだと踏んだのですが、現実は甘くなく思った以上に負荷が重いことが判明。そこで実負荷を模して470Ωにて再度データ取得。 オレンジが検波入出力でブルーがIVカーブ、これより検波後のレベルを0.3V以上に保てば良好な直線検波が可能な事が分かりました。

2022.01.15
当該投稿における代表画像 検波方式検討の手始めとしてダイオードのIV特性を取りました。DUTは1N60で1S34も似た特性を示します。カーブの上から順に負荷抵抗1M、100K、10K時の電圧を見ているので1uA、10uA、100uAとなります。微小電流域の特性を見ているので見慣れたダイオードのIV特性とは全く異なります。過去の資料でダイオード検波(2極管も含め)は小信号時時の直線性が良くないとありましたが、検波後段を十分高いインピーダンスにすれば小信号電圧でも良好な検波品質が期待できそうです。次は6AL5の特性を測ります。IV特性を取るのは学生実験以来!あらためて実験の楽しさを味わっています。
X軸Cathode current uAとあるのは誤り、正しくはY軸で単位mVです。X軸はアノード印加電圧で1mV~1Vです。


t_04_hist.htm