● NMHDアンテナのシミュレーション (1) 最新改定 2017.June.29 JH3FJA
ノーマルモードヘリカルダイポールアンテナ( Normal Mode Helical Dipole antenna )、導体エレメントの1巻きの長さ および 全部の巻き幅 が1波長に比べて十分小さいヘリカルアンテナです。 こう書くと何か特別なものの様ですが、普通のヘリカルホイップを2本で構成のダイポールアンテナそのものです。
ただ、従前と異なる着眼として HFの低いバンドに行くためのシルエット縦横比の小さな太っちょでロス少なめのコンパクトアンテナを目指す それとしての検討です。 ここでは事始めとして、巻線径・巻直径・巻ピッチを一定共通とし 巻長さ(巻幅) を変えたケースなどを行ったものです。
以降を含め 幾何的形状の記号定義を次の通りとします。
D: diameter、巻き直径、巻線材中心から向こう側の同中心
N,n: number、全巻き数, nは何回目位置かを示す
h: 巻き長さ、ダイポールの中心から端までの軸平行長さ
p: pich、巻きピッチ(1回転により変化する軸平行距離)
γ: pich angle、巻線材長手中心線の傾斜角
この他に
d: diameter、巻線材直径
l: length、巻線長さ
h/D: 筒型フォームファクタ (勝手につけた呼称)
d/p: 巻線近接率 (勝手につけた呼称)、隣接巻線との迫り具合
s: small、アンテナとしての短縮率、4h/当該波長
D=99mm、d=6mm、p=33.3mm 一定共通。 h=400/260/130mmで N は h に達する巻数 とした単層ソレノイドを理想接地面に立てた接地型垂直アンテナ(太短いホイップ)です。
< h=400mm、N=12、s=0.18 >
こんな感じです。 一つ目共振周波数 33.67MHz、効率 88.7%
下図は 周波数インピーダンス特性と同ゲイン特性です。1つ目の共振周波数が目的とするアンテナの固有周波数になります。 この効率数字(RF抵抗によるもの)は巻線の隣接効果によるRF損失の増大が扱い切れていないと思われますので あまり信用はできませんが 何やらいい予感はあります。
下図は 垂直面指向特性と水平面指向特性です。赤い線はヘリカルコイル巻線と同径・同材質の1/4波長垂直アンテナ(まっすぐなエレメント)の特性を重ね書きしたものです。
下図は 3D表示したゲイン特性です。
下図は 電流振幅分布と位相分布です。 位相は分かり易いようにビューポイント高さを上げていますので感じが違って見えますが同じコイルです。
下図は ゲインがストンと落ちている3つ目の共振周波数97MHzでの電流振幅分布と位相分布です。 電流振幅分布で見て垂直に2山 従連していますが 2山の位相が反対関係にあり遠方ゲインとして落ち込んでいます。
近傍界H(磁界)フィールドとE(電界)フィールドです。 コイル外周表面から7mmほど外に行った点を通る平面上で眺めています。
< h=260mm、N=7+3/16、s=0.175 >
こんな感じです。一つ目共振周波数 50.39MHz、効率 92.7% Nは50MHzにチューニングのため中途半端な巻数になってます。
< h=130mm、N=4 、s=0.14>
こんな感じです。 一つ目共振周波数 79.75MHz、効率 94.2%
< 水平指向性を付てみる>
ちょっと寄り道して こんなのやってみました。水平指向性が付けられます。自由空間でのシミュレーションです。
END