● トランジスタによる10進カウンタ            ( 最新改定 2014-May-09, JH3FJA )

  当局は1969年、数10Kw出力の金属表面加熱用誘導加熱装置の外付けプログラムタイマとして2SC372を大量に使い20セットほどを手作りしたことがありますが、Facebookの「パーツマニア・アマチュア無線」でディスクリート素子による10進カウンタ回路が話題になり頭の体操で復習してみました。

  オーム社の電子工学ハンドブック1965年版(当時3900円)に掲載の回路です。  PNPトランジスタによる典型的なフリップフロップ回路が4段に2つのフィードバックライン(3段目から2段目に/4段目から3段目に)が施された定番の回路です。
電子工学ハンドブックの図9-112

電子工学ハンドブックの図9-113   

上記回路のタイミングチャートです。アルファベット小文字で回路位置と対応がつきます。一番左のフリップフロップは我10進化カウントに関与せずみたいな顔で10、01をオルタネートに刻みます。右3つのフリップフロップ群のフィードバックがポイントですね。時間変化でみた下流側から今風で言う上書きをされ結果5進を刻むことになります。

  この頃はこの手の「アナログによるデジタル回路」を「非正弦波電子回路」と区分してたようで、なかなか味わいのある属性呼称です。

7490の内部構成   

次に、左図は汎用TTL7490の中身の構成です。元祖7490のデータシートがネットで見つからなかったので7490Aのものですが同じです。  しかし、この縦構成の図は違和感ありますね。

  紙面一番上のフリップフロップが2進部分、14ピンが入力で12ピンが出力。その下3つのフリップフロップが5進部分で1ピンが入力で11ピンが出力です。7490では外部配線で12ピンを1ピンに繋ぎ2進+5進の従属構成をすることで10進カウンタになるよう構成されてます。

7490の内部構成   

で、これがビット反転のシーケンスです。欄OUTPUTの一番右QAが2進部の様子、ほかが5進部の様子です。  10進桁上げ信号を得るにはQAとQDのAND(論理積)をとればよいわけです。



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