サプレッサグリッド変調            最新改定 2015.July.20 JH3FJA

古きをたずねAM低電力変調の1つサプレッサグリッド変調です。

<中波船舶用送信機>

 P管 P220を6AQ5でモジるってさまです。かつて船舶用中波/短波送信機では少しでも大型化を抑えるためにサプレッサグリッド変調やコントロールグリッド変調が起用された機器がかなりありました。この回路図は500Kcや少し下の中波の250Wクラスのものです。A1時サプレッサグリッドはグランドレベルに、A2時−120Vの固定バイアスにAF出力を重畳しAM変調、RF的にはサプレッサグリッドは2つの250PFパスコンにてグランドレベルに落ちています。

中波船舶用送信機回路図(本体)


中波船舶用送信機回路図(電源部)



<GRC-9/RT-77 >

 GRC-9/RT-77(以下RT-77)は、米軍において朝鮮戦争の頃からベトナム戦争初期において主にジープへマウントされたA1/A2/A3送受信機で、自衛隊も警察予備隊時代に米軍から供与を受け後に日本国内でライセンス生産され配備されたそうです。 送信管は直熱5極管「2E22」(自衛隊使用品では神戸工業2P22も適用)、プレート損失30Wで807の直熱管のイメージですがプレートキャップの直径が807より大きくなっています。2〜12Mcで送信出力は Hi:7W、Low:1Wです。



 RT-77サプレッサグリッド変調回路の要部回路です。 非常に面白いのがサプレッサ用DCバイアスをコントロールグリッド電流による電圧降下で作っていることで、コントロールグリッドバイアス電圧の一部を充当しています。

GRC-9/RT-77 モジュレータ



 整合トランスT113より上流の3A4による変調アンプです。 T112はマイクトランス、マイクはカーボンマイクです。
GRC-9/RT-77 モジュレータ



 パワーアンプ回路です。上の要部回路と見比べて戴くと分かると思います。
GRC-9/RT-77 パワーアンプ



 スクリーングリッド電源回路です。 出力Hiでは R117、R118(各20Kオーム)が並列となりR124(30Kオーム)とで元電圧500Vが分圧され375Vとなります。出力Lowでは R117、R118(各20Kオーム)が直列となりR124とで元電圧500Vを分圧され215V印加となります。 GRC-9/RT-77 スクリーングリッド



GRC-9/RT-77 スクリーングリッド



END