防砂壁への仮設想定ビバレージアンテナのシミュレーション(その1)
最新改定 2017.Jan.28 JH3FJA
砂浜部分のある海岸線において 風による飛砂抑制のための木製防砂壁は今もよく見かけます。支柱を含め木製のものはその設置長さからも 「ワイヤを引っかけローバンドアンテナの実験ができるなぁ」 と思うアマチュア無線家は少なくはないと思われます。 高さは3m程度と低く長さは数100mありますから、一般の用地ではよほど恵まれない限り実験に困難が伴う ビバレージアンテナ が設置形態としては向いています。 ただ難儀なのは壁の下の土壌は数mも掘れば海水で湿潤状態であり極めて導電率が高い反射しやすい特性をもちビバレージアンテナとの相性は良くないのです。
水際は どう相性が悪いのか
相性の悪さを味わってみるために、同じアンテナモデルで設置環境のみを4種類 違え特性の違いを見てみます。
| A.平均的な土壌の層 | (導電率=0.005、誘電率=13) | 結果 |
| B.湖のように淡水で満たした層 | (導電率=0.001、誘電率=80) | 結果 |
| C.海のように海水で満たした層 | (導電率=5、誘電率=81) | 結果 |
| D.乾いた海砂の層 | (導電率=0.001、誘電率=10) | 結果 |
海の導電率については深さ方向で分布がついており(瀬戸内海での実測例)、海面近くでは上述より低めですが一般に適用される代表的な値としています。 具体的に眺めているのは、指向特性、周波数インピーダンス特性、同ゲイン特性、同SWR特性です。
<共通のアンテナモデル>
同じ条件に採るビバレージアンテナは、アンテナ高さ3m(均一)、アンテナ長さ180m、終端抵抗450オーム、給電側・終端側ともに片端直接接地(ラジアル併用なし)、アンテナ線材 Φ2mm銅単線としてます。 図の上で、朱色円筒が給電点、青色円筒が抵抗終端点、緑の芝生風の面が上述の4種類の設置面になります。
<A.平均的土壌>
こんな感じです。
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青いのが終端抵抗 |
<B.淡水層>
こんな感じです。
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青いのが終端抵抗 |
<C.海水層>
こんな感じです。
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青いのが終端抵抗 |
<D.乾燥海砂層>
こんな感じです。
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青いのが終端抵抗 |
END