左図が環状ダイポール部のみを扱ったワイヤモデルです。 環状ダイポール直径は Φ280mm、+Y、−Y方向の対峙エレメント末端の隙間(ワイヤ17、18の間と1、36の間)は いずれも扇型の角度で見て10deg(5deg振り分け)、また給電側からの分岐点(ワイヤ36、37の円弧側)の位置は環状中心点(座標原点)と結んだ扇型の開き角度で見て90deg位置(45deg振り分け)です。 |
左図は環状ダイポールの100MHz〜350MHzに対する給電点インピーダンスの変化です。 リアクタンス分ゼロ・位相0degの共振固有値は166MHz、 ワイヤ1〜13・37・35の半分 と ワイヤ35の半分・36・21〜34をダイポールの両アームとする半波長共振です。 給電インピーダンスが一直線エレメントの標準ダイポールにくらべ小さいのは環状化による影響です。 下の2つの図は 左、環状ダイポールの半波長共振(この166MHz)における電流振幅分布と、右、一波長共振での電流振幅分布です。 標準的な一直線ダイポールのそれと同様です。 |
半波長共振での電流分布 | 1波長共振での電流分布 | |
3D指向性 | 水平面指向性(XY断面) 赤:標準ダイポール |
垂直面指向性(YZ断面) 赤:標準ダイポール | 垂直面指向性(XZ断面) |
左図がバーチカルアンテナのワイヤモデルです。 ワイヤ1〜8の成す下側円弧の半径は 140mm、環状ダイポールでのその部分と同じものです。バーチカル部は長さ(高さ)300mm、2本のバーチカルの根本位置は下側円弧でみて開き角度90degに位置します。 |
左図は120MHz〜220MHzに対する給電点インピーダンスの変化です。 リアクタンス分ゼロ・位相0degの共振固有値が165MHz辺りにあります。 ワイヤ9の左半分・12・13 と ワイヤ9の右半分・10・11をダイポールの両アームとする半波長共振のそれです。 給電インピーダンスが一直線エレメントの標準ダイポールにくらべ小さいのはエレメントを並行・近接等の影響です。 |
3D指向性 | 水平面指向性(XY断面) |
垂直面指向性(YZ断面) | 垂直面指向性(XZ断面) |
左の写真の手前側になりますが 上述では扱わなかった整合容量の考察です。 整合容量と(勝手に)呼ぶのは 環状ダイポールの中央部のエレメントを非接触で重ね合わせる形態で形成されたキャパシタンス分です。 この写真にはこれを短絡するかのジャンパ板(赤線だ円)が付いているのが気になりますが 無視してください。 |
この部分の容量の 整合や輻射への影響の違いを 直観的に見るために 敢えて環状ダイポールをまっすぐに伸ばした半波長ダイポールにバーチカルエレメントを立てたアンテナを想定し 近傍界磁界分布で眺められるよう左図の様なモデルを使います。 このアンテナモデルを「DP+2V」と呼びます。 |
DP+2V、整合容量 0PF | |
DP+2V、整合容量 1PF | |
DP+2V、整合容量 2PF | |
DP+2V、整合容量 3PF | |
DP+2V、整合容量 0PF 350MHzの共振は給電部と整合部を小さなループとする共振です。 |
DP+2V、整合容量 1PF |
DP+2V、整合容量 2PF 2つの共振点の間での位相が10〜20degと良い感じです。 |
DP+2V、整合容量 3PF |
左図が「環状アンテナ」と「バーチカルアンテナ」を包絡合体させたルンドアンテナのワイヤモデルです。 環状の直径は Φ280mm、バーチカルエレメント(ワイヤ37、39)の長さ(高さ)は300mm、2本のバーチカルエレメントの根本位置は下側円弧でみて開き角度90deg とこれまでと変更はありません。 |
3D指向性 | 周波数ゲイン特性 |
垂直面指向性(YZ断面) | 垂直面指向性(XZ断面) |
水平面指向性(YZ断面) | 水平面指向性(XZ断面) |
左図は120MHz〜220MHzに対する給電点インピーダンスの変化です。 共振固有値154MHzは ともに166MHzの固有値を持つ環状ダイポールとバーチカルとの並列化によるもの、また、200MHz辺りは 給電点から環状ダイポール・バーチカルの分岐点までが電流振幅一定の給電線として動作しているものです。 |
3D指向性 | 周波数ゲイン特性 |
垂直面指向性(YZ断面) | 垂直面指向性(XZ断面) |
水平面指向性(YZ断面) | 水平面指向性(XZ断面) |
左図は120MHz〜220MHzに対する給電点インピーダンスの変化です。 5m高さと大きな変化はありません。 |