チューナブルバーチカルアンテナのシミュレーション検討(その1)      最新改定 2017.Feb.7 JH3FJA

 昨年(2016年)、JA6REX局らが V633KS&V633ZH で使用した Crank IRアンテナ は非常に興味がありました。 最近、FaceBookで話題にのぼり、正月にさぼっていたシミュレーションを始めました。

 (その1)では、1/4波長バーチカルのラジエータを折り返した「フォールデッドバーチカル」の感じを掴むため、キチンと半分を折り返したスタイルのものを扱いました。 Crank IRアンテナでは輻射エレメントは最低周波数以上のバンドでは「J」字型の天地反転・ラジアルは(平面で見て)J型になりますが それらは以降で扱います。

 ここでは、1/4波長バーチカルのラジエータを折り返し物理寸法1/8波長としたバーチカルアンテナを 「フォールデッドバーチカル」と、また、加えラジアルに対しても折り返し物理寸法1/8波長としたバーチカルアンテナを 「フォールデッドL型バーチカル」 と呼び扱っています。

<フォールデッドバーチカル>
フォールデッドバーチカル
ラジエータ部:
 ループ状の下辺高さ=地面上0.5m
 ループ状の上辺高さ=地面上5.5m
 折り返し幅(上辺)=1.0m
 折り返し幅(下辺)=0.4m



ラジアル部:
 ラジアル長さ=約9.5m
 ラジアル遠端高さ=地面上0.1m
 ラジアル屈曲位置=ラジアル長さの中間点

海面設置ケースでは地面を海面と読み替え

<フォールデッドL型バーチカル>
フォールデッドL型バーチカル
ラジエータ部: (フォールデッドバーチカルに同じ)
 ループ状の下辺高さ=地面上0.5m
 ループ状の上辺高さ=地面上5.5m
 折り返し幅(上辺)=1.0m
 折り返し幅(下辺)=0.4m



ラジアル部:
 ラジアル長手長=約5m (給電点リアクタンスを見て調整)
 ラジアル遠端高さ=地面上0.1m
 ラジアル近端折り返し幅=0.4m (ラジエータに合わせる)
 ラジアル遠端折り返し幅=1.0m (ラジエータに合わせる)

海面設置ケースでは地面を海面と読み替え

シミュレーション結果

 アンテナ構成上記2種類、地面2種類(平均的地面、海水面)として以下4種のシミュレーション結果です。

1.フォールデッドバーチカル、平均的地面結果
2.フォールデッドバーチカル、海水面結果
3.フォールデッドL型バーチカル、平均的地面結果
4.フォールデッドL型バーチカル、海水面結果


フォールデッドバーチカル

<フォールデッドバーチカル(平均的地面に設置)>

40mFV垂直面指向性(平均的地面) 40mFV水平面指向性(平均的地面)
40mFV周波数対SWR特性(平均的地面) 40mFV周波数対ゲイン特性(平均的地面)
40mFV周波数対インピーダンス特性(平均的地面)
40mFV周波数対3Dゲイン特性

<フォールデッドバーチカル(海水面に設置)>

40mFV垂直面指向性(海水面) 40mFV水平面指向性(海水面)
40mFV周波数対SWR特性(海水面) 40mFV周波数対ゲイン特性(海水面)
40mFV周波数対インピーダンス特性(海水面)
40mFV周波数対3Dゲイン特性

フォールデッドL型バーチカル

<フォールデッドL型バーチカル(平均的地面に設置)>

40mLV垂直面指向性(平均的地面) 40mLV水平面指向性(平均的地面)
40mLV周波数対SWR特性(平均的地面) 40mLV周波数対ゲイン特性(平均的地面)
40mLV周波数対インピーダンス特性(平均的地面)
40mLV周波数対3Dゲイン特性(平均的地面)

<フォールデッドL型バーチカル(海水面に設置)>

40mLV垂直面指向性(海水面) 40mLV水平面指向性(海水面)
40mLV周波数対SWR特性(海水面) 40mLV周波数対ゲイン特性(海水面)
40mLV周波数対インピーダンス特性(海水面)
40mLV周波数対3Dゲイン特性(海水面)


END