79によるレフレックスラジオ                 最新改定 2021.May.23 JH3FJA

1.まえがき

 Facebook グループ:真空管式無線機の 「1球がもたらすものコンテスト」 には色々な方の楽しいチャレンジがありますがRCAのすごく古いB級プッシュプルオーディオパワー双三極管 79によるレフレックスラジオ について少し眺めてみました。 と言うのも20年近く前にローカルのOMからA3変調器に起用した日本軍無線機の話(なかなか良い球だと)が頭に残っていたからです。

2.ラジオ回路

 図1はこの方のオリジナル回路を回路シミュレータのモデルに描いたものです。アンテナコイルは昔の市販高1コイルの仕様を、1対3トランスの一次側は昔の大型のもののインダクタンス・巻線抵抗等を、79は数少ないRCAのA級バイアスでの特性曲線(下図)を反映してあります。


79のEpIp特性

増幅度低めの電圧増幅管と思えばよいようです。







図1 オリジナル回路

周波数が高くなるにつれ帯域特性が甘くなってます。







図2 少し定数を触ってみました

グリッド抵抗を大きくしアンテナ共振回路へのダンプ影響を軽減、またカソード抵抗を少し大きくし(グリッドバイアスで-1.1V程度)ゲインを最大化してます。




図3 検波出力を開路と確認してます







図4a 周波数の高い側帯域特性を改善

ゲインは少し落ちますがアンテナ共振回路のグリッドへのカップリングコンデンサ容量を小さくする方法はあります。ブロードなカーブは10PF、比べシャープなカーブは5PF







図4b 周波数の高い側帯域特性を改善

そもそもパワー管での電圧増幅回路なので大きなゲインは期待できないのでRF系正帰還でのゲインを稼ぎ帯域特性を稼ぐ方法もあります。
プレート帰還コイル、同直列コンデンサ、アンテナ共振回路への帰還結合度合を調整すれば発振余裕は充分あるので一様なゲインと帯域特性が狙えます。





END


改定来歴:  2021.May.23 作成