最新改定 2006-May-28 |
PRC-10用ソリッドステート真空管の製作 |
PRC-10のV7(5672)及びV11(5678)をFETを使ったソリッドステートサブミニチュア管に置き換えて見ました。 V7は低周波電力増幅回路、アウトプットトランスをドライブします。 V11はスケルチ回路、DC増幅回路です。低周波回路と直流回路ですから、PRC-10のオリジナル性をあまり侵さず(?)楽しめるものです。 なお、真空管単体として厳密に静特性が一致する訳けではありませんので、飽くまで特定機種・用途を踏まえた代替として理解ください。 他の適用回路や他の種類のサブミニチュア管用の追試や改良を戴ければ幸いです。(JA1ENC) |
<回路構成> 代替素子はFETです。廉価で耐電圧の高い(+Bをジカに扱える)小電力のFETはなかなか在りませんので、ごく汎用的なFETを使います。このため、ドレンへの印加電圧をツェナーダイオードで低減させます。 いずれの回路にもあるドレン側のツェナーダイオードZ39Vが、2SK125のドレン電圧を+B2電圧−約39Vに抑え、ドレン・ソース間電圧を安全圏内としています。 V7のゲート側のZ6Vは、C電源(=−6V)によるグリッドバイアス電圧分のキャンセル用で、PRC-10本体の改造をせず対応するためです。 2SK125のカットオフ電圧は実働上3V付近にあるようで、このZ6によるキャンセルが無いと2SK125はカットオフ状態のままとなり音が出ません。 この「ソリッドステートV7」は、「真空管5672」使用時のオーディオ出力と遜色は無く動作し、H33ハンドセットの受話器をガンガン鳴らせます。 フィラメント分による総合電力への低減効果は僅かでは有りますが、当局は、電力低減より5672が結構良い値段していますので、入手の心配をしなくて良くなり、この点を喜んでおります。 V11にあっては、負荷であるスケルチリレーのON/OFFによるバックトランジェントのサージ電圧で2SK125が逝かれるか?と思いましたが、かなりの回数スケルチON/OFFをさせましたが、Z39の逆方向がカットしてくれており大丈夫でした。 |
<ソリッドステートV7、V11の外観> このように組んでみました。ユニバーサル基板のランドピッチ2.54mmでは仕上がり幅が大きくなるため、ユニバーサル基板を45度に板取りしています。 2SK125は、秋月電子通商 で5個入り200円で、また、ツェナーダイオードは サトー電気 で各々通販購入が可能です。 |
<ソリッドステートV7、V11の実装状態> 2006-May-27 JH3FJA局から音の大きさについてのレポートが届きました。 「PRC-10に実装した姿写真を送ります。 MFPの色とユニバーサル基板の色が良くマッチして景色としては何の違和感も無いですね。 手前から、4300Kc水晶発振子、V10-5678、V7ソリッドステート5672、V11ソリッドステート5678、V9-5676、1000Kc水晶発振子です。 送話器音響出力での比較計測もしてみました。 供試無線機:PRC-10、受話器H-90ハンドセット V7:真空管5672(現用品)-->84dB(A) V7:真空管5672(新品)---->89dB(A) V7:SS真空管P10V7------>93dB(A) 音源はFSE-38/58のマイクラインからCカットでホワイトノイズ電圧を入力、6mバンドで発信。 受信はPRC-10、+B1は約60V、音量ボリウム位置中点、騒音計マイク先端を受話器カバーより約10mm離し周囲をグラスウールで囲み計測しました。dBの後の(A)は人の聴感特性を加味したA特性補正での値を意味します。 5672は1本1200円位していますので、音的にも経済的にもゲインがあります。」 |
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