MABは、第2次世界大戦時代においてNAVYの落下傘部隊がパラシュートとともに胸に保持し、地上降下の後にアンテナを伸ばし相互連絡をとるために使用された短波帯の可搬送受信機です。 この趣味の方なら周波数範囲と内部構成を見て80mバンドで遊んでみようと思わずにはいられない楽しい機械です。なお、後継機はPRC-6だったようです。 |
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■ 外観 | |
![]() 上にいきなり構成から掲げたのは、本体部のみしか入手出来ていないためためで、外観写真もアンテナ部、ヘッドフォーンおよびマイクはオリジナルのものではありません。 本体ケースはボーディーとフタからなり、2本の指で廻せるビスにより勘合固定されます。ケースの材質はファイバーを練り込んだ樹脂で出来ており、外内形の勾配より射出成形加工によるものと思われます。 |
■ 機構・構造 |
<送受信ユニット> | |
![]() 送受信機本体は、この16×9×5cmの小さな弁当箱1つです。 写真はカバーを外した状態で、電池管ラジオによくあるシャーシ構造をしています。 |
<受信系> | |
![]() 受信機は4球スーパです。手前右から左へ順に、1R5局発・混合、IFトランス1、IFT1の背中側に局部発振1T4と水晶発振子、IF増幅1T4、IFトランス2、検波・低周波増幅1S5、低周波電力増幅3S4の配置です。 |
<送信系> | |
![]() 送信機は2ステージです。手前左から右へ順に、アンテナカップリングトランス(M結合)、高周波電力増幅3S4、送信水晶発振子(2つある右側)、送信用発振回路IT4、変調電力増幅3S4、変調チョークです。 なお、変調チョークのケースには、カーボンマイク用のインプットトランスと受信低周波増幅の出力トランスの3つが一体でケース内に居ます。 |
マニュアル | 本文部分 (1151KB/pdf) | テーブル (394KB/pdf) | 図部分 (271KB/pdf) |
完全なMABのお姿 | RADIO " MAB & DAV " |
■ 代替品の製作 |
<アンテナ> | ||
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ボディーはホームセンタにある木製の穴明き丸棒(パイプ)、アンテナロッドはSONYの大型CB機のロッドアンテナジャンク、ローディングコイルもジャンク箱にあったタップ付コイルとダストコア入りのIFTのようなもので作りました。 |
<電源電池> |
![]() A電源は、2Vシールバッテリーのダイオードドロップで、B電源は006P電池です。 |