軍用無線機リストアの楽しみ方の看板

    軍用無線機リストアの楽しみ方を当局の感性でまとめてます。

物品探し

国内、国外ともにネットオークションやホームページで探すのが手早い方法です。 リンク集にも、いくつかのお店を掲げてありますので見てください。個人の趣味の延長で販売をして戴ける方もおられ、親切に教えてもらえます。


購入

先に送金が必要な店、物品受領後に同封の請求額を精算する店がありますが、国外の店からの購入はJCBカード等のクレジットカード利用が便利です。カード番号をインターネット上で扱うのは未だ未だ危険がありますのでFAXで注文書を送ります。


入荷・開梱

軍用無線機の場合、過酷な輸送と使用条件の要求から温湿度・振動衝撃耐力は抜群なので輸送途中での破損はまずありません。
梱包を開くのは楽しい瞬間の一つです。外観程度の良し悪しを問わず長年の歳月とその機械としての歴史の中で最後に我が家にたどり着いたことを喜こびましょう。


観察とマニュアル一読

戦争の歴史的背景は別として、武器として完成度の高いものを得るために投入された開発費用と先人が残した技術をじっくりと眺めましょう。使用部品の品質、堅牢な構造、徹底した保守性への配慮、とりわけ機構設計は昨今の何でもソフトウエア処理の時代に、学ぶところが多くあります。これらは現物の精緻な観察から、あるいはテクニカルマニュアルから力強く伝わって来ます。


清掃

砂、土の類をまず刷毛(ハケ)で除きます。次に台所用の拭き取り洗剤を柔らかな布、あるいは上質のティッシュペーパにつけ、部分的に軽く拭き取る様に順に清掃します。ウエットティッシュの類も便利です。どんなに強固な汚れであっても、アルコール、アセトン、ベンジンなどの薬品は使用しないでおきます。


電源を作る

半導体式の無線機の場合、固定機では直流24V給電がほとんどですから、廉価に手に入る業務用の組込みタイプのスイッチングレギュレータのジャンクを買い求めるか、12Vバッテリを2つ直列にして使用します。自動車用品店では在庫処分のために古い型式の12V鉛バッテリーが驚く程の安値で並ぶ時があります。
真空管式の無線機の場合、B電源(高電圧の電源)の製作には苦労しますが、トランスは100V/100V絶縁トランス、100V/200Vステップアップトランスなどが比較的た易すく入手出来ますし、 ヤフオクではファイナル真空管時代のHFトランシーバの電源トランスが1つや2つは常時出品されていますので利用出来ます。無線機交換室で”求む” に出す方法もあります。
高耐電圧のアルミ電解コンデンサは、不良のスイッチング電源のジャンクや、”再利用フィルム付カメラ”を分解し、ストロボチャージ用のコンデンサを外し利用することもできます。


修理

最も苦労と喜びのあるフェーズです。物と状況によってアプローチは異なりますので、ここでは修理に最小限必要な測定器について述べておきます。

(1)電圧・電流計測

DCはテスターで十分です。真空管式無線機では高電圧レンジのある昔のアナログテスターの方がむしろ使いやすいと実感出来ます。

(2)高周波電圧の計測

高周波電圧の計測は簡単な高周波プローブを自作してデジタルテスターと組み合わせ使用するか、簡単なアンプ付きのアナログメータを自作するのも良い方法です。

(3)高周波電流の計測

送信回路を扱う場合は、簡単な電流計測手段があると便利です。トロイダルコアを用いた電流カップラ程度で充分です。

(4)高周波標準信号源

スペクトルの奇麗さからはSSGが理想ですが、SG程度のものと周波数カウンタの組み合わせで充分です。HF帯と50MHzバンドをカバーする周波数範囲ならば、ジャンクで2〜3万円も出せばかなり程度の良いものが入手出来ます。


性能を味わう

計測器を使って性能仕様を計測する事も楽しい事ですが、軍用無線機のレストアの最大の醍醐味はその使用感でしょう。その無線機が使われた時代と国や場所を頭に描き、その音に耳を傾けたり、ハンドセットに向かい 「1、2、3、TEST、テスト」 と叫びましょう。


担ぐ

軍用無線機レストアの楽しみの1つは、使用情景を再現してみることです。 バックパックタイプの無線機は背負子も入手し、実際に担いで動き廻ってみると楽しさが増します。 軍用仕様の身体能力はなくとも、何かしらの大変さの実感は伝わってきます。


展示

レストアが終われば室内に展示しましょう。


保管

沢山の軍用無線機が集まると、シャックの机の回りに置けなくなるでしょう。なぜなら軍用無線機はポータブル機を除きそれなりに大きく重いからです。
簡単な猫車付キャリアを製作するととても便利で、通電の機会も増えるのでFBです。