「ルンドアンテナ」は 1943年頃 ドイツ海軍Uボートが英国軍VHFレーダから電波探査を受けている検知のために開発された受信アンテナです。 ルンドは英語でいうラウンド、環状形態からのネーミングです。 環状化したダイポール(帯域広げの帯状)にバーチカルを2本立てた成状は海面上のあらゆる方位・仰角からの探査受けをパルス状レーダ波(パルス幅2.5uS 繰返し周波数400Hz)を可聴音としてモニタする意図に適合する特性を持たせた筈で その感じを探ってみました。 基本要素である「環状ダイポール単独」、「2本バーチカル単独」、「両者合体ルンドアンテナ」 の自由空間における特性は Uボート ランドアンテナの考察(基本編) にまとめてあります。 |
左図がアンテナのワイヤモデルです。 詳細については Uボート ルンドアンテナの考察 ルンドアンテナ を参照ください。 反射に関しては 海水の導電率・誘電率を持った無限に近い平面として扱っています。 艇体やブリッジの金属構造体によるそれは確かな形状やアンテナ位置が分からないこともあり扱っていません。 海面からのアンテナ設置高さは給電点高さ2mと5m、前者は艦が浮上過程のブリッジ上端が海面界隈の状況、後者は水上航行状態の想定です。 なお、通常のアンテナ解析での座標系と水平面でみて90deg回転した格好になっていますが これは(船舶系の慣習に沿い)X軸を艦艇長手中心軸(+Xが船首方向)に採ってあるものです。 |
3D指向性 | 周波数ゲイン特性 |
垂直面指向性(YZ断面) | 垂直面指向性(XZ断面) |
水平面指向性(YZ断面) | 水平面指向性(XZ断面) |
左図は120MHz〜220MHzに対する給電点インピーダンスの変化です。 共振固有値154MHzは ともに166MHzの固有値を持つ環状ダイポールとバーチカルとの並列化によるもの、また、200MHz辺りは 給電点から環状ダイポール・バーチカルの分岐点までが電流振幅一定の給電線として動作しているものです。 |
3D指向性 | 周波数ゲイン特性 |
垂直面指向性(YZ断面) | 垂直面指向性(XZ断面) |
水平面指向性(YZ断面) | 水平面指向性(XZ断面) |
左図は120MHz〜220MHzに対する給電点インピーダンスの変化です。 5m高さと大きな変化はありません。 |