● BA-542/U BATTRY,STORAGEの活用             ( 最新改定 2009-Sept-7, JH3FJA )

 BA-542/UはPRC-70等用の2次電池ですが、過充電・過放電防止の電圧コンパレータと切り離し回路(終段をラッチリレーとし電流消費を抑えたウインドコンパレータ)、電池圧力・電池温度検出による保護回路、寒冷下での充電を可能にするシート状スペースヒータ、と 色々な機能を電池の内部回路として持たせた賢い電池です。
 内部のニッカドセルは古い時代のものであり、2Ahの電流容量は昨今では単3型ニッケル水素2次電池でカバーできる程度の小容量ですが、ジャンク活用観点での魅力は樹脂成形品のケースにあり、液漏れのジャンク品でも腐食がないので転活用が効くありがたいジャンクなのです。
 なお、下記にあるBA-5598/Uの2本直列でのPRC-70の駆動は無理がある(うまく行かない)そうですので、ご注意ください。

<BA-542/U 姿> BA-542/Uの姿

 外装はOD色の樹脂成形で出来ており、格好の良い充電・スペースヒータ用の外部コネクタとベンティング用のバルブが各1つ設けられています。 PRC-70等に接続する出力コネクタは電池ケース内側にあります。 蓋は無線機本体に電池をセットしてない状態で使うものですのでその勘合部に気密性は持たせてありません。


<BA-542/U 内部構造> BA-542/Uの内部

 ニッカドセルは薄緑色のガラスエポキシの板の下にあり普段は見えません。 左の6Pコネクタが無線機本体、充電器との接続用です。 右のヒューズが見える黒いのがコントロールモジュール、過充電・過放電防止の電圧コンパレータと切り離し回路が内装されています。 ここに使用されているラッチリレーは電磁石保持の一般的な構造のものですが接点容量が大きく利用価値の高いものです。
 内部構造の説明図はここ を見てください。

<BA-542/U内部回路> BA-542内部回路

 1.2Vのニッカドセルが20本直列です。 うち2本はセル内圧モニタの圧力スイッチを抱くために寝ています。 シート状のスペースヒータは底に敷かれていますが写真では見えていません。
 内部の回路図はここ を見てください。

<移動運用用電池電源パックにする> 24V電池電源パックにする

 そうオーバな作業ではなく、軍用赤黒端子(これもジャンク品)を付け、BA-5598/U を内部に2個内装し、配線するだけです。 オリジナルの充電用コネクタを使い格好よくプラグ付のケーブルを作る手もありますが、LC1、LC2などの背負子に乗せる事を想定すると幅方向のコネクタプラグとケーブルが出っ張り旨くありません。
軍用無線機の電池ケースのサイズは規格化されているためか、BA-5598/U がケースの幅方向にピッタリと納まります。
 なお、BA-5598/Uへの接続プラグ側は、古典的な構造のRCAプラグ を使います。 RCAプラグは高級化の一途で、本目的に向くこの「すずらん」(電子部品屋業界ではこう呼ぶらしい)はもはや製造をされておらず探すのに苦労ものです。 ぼやいておりましたらJA1ENC局より多量にドネーションを戴き保有しておりますので必要な方は当局にメールをください。

端子台部

 直列・並列の繋ぎ変えは、この端子部でやります。 この端子台の取り付け板(透明アクリル)は電池箱の底から8mm程度浮いており、電池箱長手方向での電池のガタツキを抑えています。 また、BA-5598/Uを1本だけ使う時は、電池が踊るので、セルを抜いたダミー電池を空間埋めに作ってあります(上の写真のダミー)。


<こんな感じて使ってます> LC2にマウントした全体姿

 LC2の背負子に載せた姿です。 直列接続で24V8A、並列接続で12V16Aありますから、これでもかと言う程 長時間使えます。 BA-5598/Uは並列使用を配慮した突き合わせダイオードが電池内部に入っています ので、2個の電池の残容量の違いをも気にせず安直に並列使用ができます。

LC2にマウントした姿(近接)

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