●2石インターフェース(代替えカーボンマイク)
ダイナミックマイクやコンデンサマイクのエレメントを無線機側のカーボンマイク入力回路に適合させる変換器です。無線器側には手を入れず、電池も不要、根性次第でマイクボディやハンドセットの中に組込める回路規模のものです。
回路検討の際に、各種軍用無線機のカーボンマイク入力回路 を調査しました。
■その1 ダイナミックマイク用
ダイナミックマイクのエレメントと、この回路で代替カーボンマイクエレメントを実現します。
<回路図と部品>
回路図はダイナミックマイク用のものです。Q1、Q2はダーリントン接続されています。NPN、PNPの組合せにしてあるのはマイクエレメントのマイナスと出力ラインのマイナス側を一致させるためで、特性計測の際に計測器のフローティングに気を配る必要がなくなり便利です。
特殊な部品はありません。
記号 |
仕 様 |
備 考 |
Q1 | 2SC1321 |
2SC372クラスのNPNトランジスタならOK |
Q2 | 2SA719 |
2SA495クラスのPNPトランジスタならOK |
R1 | 27KΩ |
Q1ベースバイアス用 |
R2 | 68KΩ |
Q1ベースバイアス用 |
C1 | 1μF16WV電解コン |
入力DCカット |
C2 | 0.001μF50Vチタコン |
高周波周り込み防止 |
<組込み例>
組込み対象のハンドセット等から良くないカーボンマイクエレメントを撤去し、空きスペースを見定め、この回路基板とダイナミックマイクエレメントを内蔵させます。取り合う配線は2線のみですから極性さえ間違わなければOKです。
音質は良い音になり過ぎるきらいがありますが、大声でどならなくて済みます。
■その2 コンデンサマイク用
コンデンサマイクのエレメントと、この回路で代替カーボンマイクエレメントを実現します。
<回路と説明>
回路図はコンデンサマイク用のものです。ダイナミックマイク用にコンデンサマイクのための電源部を付加したもので、出力の両端電圧を動作電圧として使いますが、オーディオ出力に連れ電圧が変化しますのでR3とC3で若干の平滑をしています。出力の両端電圧が3〜4Vあれば低電圧化するのですが、本体無線機の機種によっては2V以下と言うのもあるので、このような方法にしています。Q1、Q2にhfeの大きな石を使える方は、出力電圧をそのままコンデンサマイク回路の電源に使っても成立します。これは出力電圧の変動がコンデンサマイクマイク回路の変動となり負帰還した形になり全体のゲイン(音圧変化と出力電圧変化の比)が落ちるのですが、アンプに十分に高いとゲインがあるとそれでも問題ない訳です。
記号 |
仕 様 |
備 考 |
Q1 | 2SC1321 |
2SC372クラスのNPNトランジスタならOK |
Q2 | 2SA719 |
2SA495クラスのPNPトランジスタならOK |
R1 | 27KΩ |
Q1ベースバイアス用 |
R2 | 68KΩ |
Q1ベースバイアス用 |
C1 | 1μF16WV電解コン |
入力DCカット |
C2 | 0.001μF50Vチタコン |
高周波周り込み防止 |
R3 | 1KΩ |
電圧変動アイソレーション用 |
R4 | 1KΩ |
コンデンサマイク負荷用 |
C3 | 220μF6WV電解コン |
電圧変動軽減用 |
<組込み例>
組込み対象のハンドセット等から良くないカーボンマイクエレメントを撤去し、空きスペースを見定め、回路基板とコンデンサマイクエレメントを内蔵させます。取り合う配線は2線のみですから極性さえ間違わなければOKです。
左の写真は、全回路の内、ダイナミックミックマイク用の回路範囲を、右の写真はコンデンサマイク用回路としての付加部分(含むマイクエレメント)です。
<プリント基板化>
左の写真はコンデンサマイク用回路をプリント基板化したもので、プリント基板削り機で製作し無電解メッキを施した状態です。右の写真はグリーンレジストを施し部品半田付けした状態です。コンデンサマイクエレメントは手持ち品を使いましたが、もっと小型のものが使えます。