●簡易電界強度計音響テレメータの製作
簡易電界強度計音響テレメータは、簡易電界強度計の指示計の振れ具合が、計測対象の無線機器のある位置(電界強度計とは離れている)において、可聴音の周波数変化として認識できるものです。
汎用のV/F、F/VコンバータICを利用してオーディオトーンの変化として変調波で送る方法(古典的アナログテレメータ)がありますが、大げさでアマチュア的では無いので、以下の方式を採用しています。
<方式>
電界強度計にある電界強度と比例した電圧信号をVCO(電圧制御の発振器)の制御入力に入れ、出力信号をRFキャリアとして電波で受信側に渡し、SSB(DSB,CWもOK)受信機で少し離調した周波数を受信しビート音の変化として針の振れを人間の聴覚で認識するものです。 値は読めませんが、当局の計測目的は電界強度の最大点に追い込む調整であり、充分に役立ちます。
<構成>
VCOはVXOで実現します。 VXOだと言うと過去に周波数可変域の拡大で苦労された方からは嫌われそうですが、本目的のVXOは人間の可聴周波数域程度の変化が得られれば目的を満足しますから、気楽にやれます。
受信機は、屋外での使用になりますから電池稼動するものが適当です。当局はミズホのピコ15(21MHzSSBトランシーバ)を活用しました。 ピコシリーズでは同調ツマミはポリバリコン直結であり繊細な同調(離調)には難があるのでRITツマミの併用により同調させます。 専用の受信機を作るのも楽しいと思います。
<VCOの回路>
VCOと呼んでますが、何の特殊性もないVXO回路です。この1石回路のアンテナ出力に必要最少限の短いピグテールアンテナ(ビニール線)を付け使用します。
バリキャップは50PF以上のものが望ましいですが、変化容量の小さなものでも直列のVC2を大きくして何とかなります。T1は、自分で巻きましたが、FCZ研究所の21MHz用IFTの使用が確実です。7mm角、10mm角タイプを問いません。
<製作>
大阪共立電子のFCZ基板もどき100円基板に組んであります。チタコンやインダクタがジャンク箱のあり合わせなので異様に大きいですが意味はありません。
裏蓋全体を見る
<完成姿>
受信部であるピコ15と組にした写真です。
音響テレメータとしての受信音を聞いてみてください。 メータの振れに対応した、ただのビート音ですが何となく楽しいものです。