LTSpice入門者へのヘルプ

最新改定 2024.Spt.27 JH3FJA

インストール 必須な初期設定 好みの設定 乗数記号 予約変数 解析の種類
電圧源・電流源の種類 要素回路色々

インストール
 まず https://www.analog.com/jp/design-center/design-tools-and-calculators/ltspice-simulator.html に行きます。
ここは アナログ・デバイセズ社ホームページ HOME/設計支援 回路設計/計算ツール LTspice という世界です。 少し下の方に
Download LTspice
Download our LTspice simulation software for the following operating systems:
ってところがありますから 利用環境のOSに合わせ選びダウンロード・インストールします。

必須な初期設定
 インストールが終わったら次の初期設定を行います。この必須1項目だけで好みは別として普通に使えます。
 回路モデル上すべての信号の変化は画面への表示対象の有無を問わずRAWデータ(.raw属性のファイル)として残されますので規模の大きな回路解析では巨大なサイズのファイルとなりストレージの空きを圧迫してしまいますので、作業終わりでの自動的な削除を指定します。
 ・ メニューバーの金づちアイコン(Control Panel) をクリック
 ・ メニュータブ名 Operation をクリック
 ・ 上から5つ目の □Automatically delete .raw file の箱をクリックしマーク入れ
 ・ OK をクリックし終了

好みの設定
 作図仕様、配色、ウインド配置など細かく設定が可能ですので こちらを参照してください。
 LTspice おすすめ初期設定 Spiceman
 まずはデフォルトのまま使ってみて 好みに合わない部分を順次設定するのが効率的です。

数値表現 乗数記号
 次の通りです。メガは Meg と書かないとミリと解釈されます。
 
サフィックス  読み  乗数
Tテラ1e12
Gギガ1e9
Megメガ1e6
kキロ1e3
mミリ1e-3
uマイクロ1e-6
nナノ1e-9
pピコ1e-12
fフェムト1e-15
Milミル25.4e-6

予約変数
 次の特定文字列は併記の意味を持つ定数や変数であり使えません。多くの場合エラーになったり突飛な計算結果で気がつくことになりますが知っておくと便利です。
 
 定数名   意味   適用 
自然対数の底 2.71828・・・・限、表示演算
pi円周率 3.14159・・・・
ポルツマン定数 1.3806503e-23
電子の電荷量 1.602176462e-19
kelvin絶対0度の摂氏温度 -2.73150e2
planckプランク定数 6.62620e2
time経過時間 sec
freq周波数 Hz限、表示演算
角速度 rad/sec限、表示演算
虚数単位 sqrt(-1)限、表示演算

解析の種類
 6種類の解析シミュレーション機能があります。 [Simulate/Edit SimulationCmd] で選択画面に至れます。

1) トランジェント解析 / transient
 時間領域(横軸時間)のシミュレーションです。
 詳細は .tran解析 を参照下さい。
2) AC解析 / ACanalysis
 周波数領域(横軸周波数)のシミュレーションです。ACとは言えもちろんDC動作点等も扱えます。
 詳細は .ac解析 を参照下さい。
3) DCスイープ / DC sweep
 DCパラメータや環境温度をスイープさせ各点の電圧や電流変化、応答をシミュレーションします。 これは一例です。
 
 詳細は .dc解析 を参照下さい。
4) ノイズ解析 / Noise
 回路を構成する抵抗や半導体等の素子に起因するノイズ、ショット・ノイズなどの解析です。
 詳細は .noise解析 を参照下さい。
5) DC小信号応答 / DC Transfer
 DC小信号に対する伝達・応答の解析です。小信号とは線形特性として見做せる狭い変化のことです。
 詳細は .tr解析 を参照下さい。
6) DC動作点 / DC op pnt
 DC動作点の解析です。キャパシタはオープン回路、インダクタはゼロオーム回路として扱われ過渡変化は扱いません。
 詳細は .op解析 を参照下さい。


電圧源・電流源の種類
 制御観点でみると3群に分かれ、トータル12種の電圧源・電流源があります。 表記象形の僅かな違いだけで同機能のものもあり、沢山ありますが次の5種を覚えておけば充分です。
 ・ 電圧源(Voltage source)  「 vol 」
 ・ 電池セル(cell)  「 cell 」
 ・ 電流源(Current source)  「 curr 」
 ・ ビヘイビア電圧源(Arbitrary behavioral voltage source)  「 bv 」
 ・ ビヘイビア電流源(Arbitrary behavioral current source)  「 bi 」

< 外部制御出来ない単独タイプ >
 電圧源(Voltage source)  「 vol 」
 
 電池(cell)  「 cell 」 Voltage source と象形が異なる同機能電源
 
 電圧信号(signal)  「 signal 」 Voltage source と象形が異なる同機能電源
 
 電流源(Current source)  「 curr 」
 
< 外部制御出来るタイプ >
 電圧制御電圧源(Voltage dependent voltage source)  「 e 」
 
 電圧制御電圧源(Voltage dependent voltage source)  「 e2 」
  「 e 」の象形上の制御電圧極性が異なるだけ
 
 電流制御電圧源(Linear current dependent voltage source)  「 h 」
 
 電圧制御電流源(Voltage dependent current source)  「 g2 」
 
 電流制御電流源(Linear current dependent current source)  「 f 」
 
< 高度な制御が出来るビヘイビア型 >
 ビヘイビア電圧源(Arbitrary behavioral voltage source)  「 bv 」
 
 ビヘイビア電流源(Arbitrary behavioral current source)  「 bi 」
 
 ビヘイビア電流源(Arbitrary behavioral current source)  「 bi2 」
  「 bi 」の象形上の電流の向きが異なるだけ
 

要素回路色々
 必要部を目的回路にコピーして利用できる小規模な動く要素回路を一品一様で整理したものです。
 01 : 理想化ダイオード   02 : パルス信号源
 03 : A3信号発生器  04 : F3信号発生器
 05 : DSB変調器  06 : AM変調器
 07 : AM波実際的生成  08 : 成分加算による信号発生
 09 : アイソレータ  10 : 50<->75オーム変換整合器
 11 : トリファイラ巻トランス  12 : 電圧制御抵抗器
 80 : 12AT7モデルと特性  81 : 電圧制御抵抗・インダクタ

END